「家の近くで保護した野良猫を飼うことになった」というケースに関して、必ず考えなければならないのは保護した猫ちゃんの健康状態です。
野良猫は、十分な栄養が取れていなかったり、病気や怪我を抱えていたりする可能性があります。中には、感染症に罹患している子もいるかもしれません。そのまま家の中に迎え入れてしまうと、他のペットや家族に感染が広がる恐れがあります。
先住ネコちゃんがいる場合は、動物病院での健康確認や予防が終わるまでの約1カ月間は別の環境で育てるようにしてください。
病院へ連れていく際は、ケージや段ボールなどに入れて移動することをおすすめします。ネコちゃんが飛び出してしまわないよう、しっかりと扉を閉められる入れ物を選びましょう。また、ノミなどの外部寄生虫が家の中に広がらないためにも、移動用の入れ物は必須です。
初診では、まず全身の健康状態を隅々までチェックします。フードが食べられる状態か、風邪や感染症に罹患していないか、寄生虫の有無なども確認するのが基本的な流れです。野良時代の生活で蓄積したストレスにより、免疫力が低下している可能性も考慮します。
さらに、マイクロチップが装着されていないかどうかのチェックも欠かせません。以前に飼い主がいたネコちゃんであれば、マイクロチップに登録された連絡先から、元の飼い主を探すことができるかもしれません。こうした一連の検査を通じて、猫ちゃんの健康状態を総合的に判断します。
保護された野良猫の中には、栄養状態が悪く、体重が不足しているケースがよくあります。ワクチン接種を行うには、ある程度体重が増えている必要があります。
一般的に、体重が1kgを超えるとワクチン接種が可能です。ただし、年齢や健康状態によっては、もう少し体重が必要な場合もあります。目安となる時期は、保護してから約2ヶ月後です。